和英辞典で「派遣社員」という言葉を調べてみました。
すると…
「Temporary employee」と表示されました。
続いて「Temporary」の意味を、英和辞典で調べてみました。
すると…
「一時的な」「臨時雇い」という結果が表示されました。
つまり「派遣社員」という言葉を英語に訳すと「一時的な・臨時雇いの従業員」と言うように、派遣労働とは「一時的・臨時的」なものという認識は、世界では当たり前の原則なのだということが分かります。
しかしながら…日本では、そうはさせない動きがまた起こっています。
労働者派遣法改悪
再提出には大義も道理もない
2014年10月2日 しんぶん赤旗
先の通常国会で廃案になった労働者派遣法改悪案を、安倍晋三政権が再び臨時国会に提出しました。同法案は、派遣労働を無制限・無期限に拡大するものです。働く人が正社員への道を閉ざされ不安定雇用のままの「生涯ハケン」を強要されるとともに、正社員を派遣労働者に置き換える「正社員ゼロ」をすすめる重大な内容です。国民の批判の広がりのなかでいったん廃案になった改悪案を再び持ち出し、国民に押し付けようという安倍政権のやり方は異常です。
不安定な働き方を拡大
改悪案は、「臨時的・臨時的業務に限定し、常用雇用の代替にしてはならない」としてきた労働者派遣の大原則を覆すものです。
いままでは企業が派遣労働者を使う場合、通訳など「専門26業種」を除いて受け入れ期間は原則1年で、延長しても3年を上限にしてきました。改悪案は、これらの業務区分や期間制限を事実上撤廃します。3年経っても、その部署の人を入れ替えれば、労働組合などの意見を聞くだけで、無制限には派遣労働者を使うことができるようにします。専門業務区分も廃止して、どのような仕事でも派遣に任せることが可能になります。
企業にとってこれほど都合のいい仕組みはありません。正社員よりも低いコストの派遣社員への置き換えがきわめて容易になります。派遣社員はどんどん拡大し、正社員になれないという「ハケンが当たり前」の社会をもたらす危険な暴走です。
今年はじめの通常国会に政府が提出した労働者派遣法改悪案は、派遣事業者に対する罰則規定の条文で「1年以下の懲役」にするところを「1年以上の懲役」とする重大な誤りがあることが発覚し、一度も審議できないまま6月に廃案になりました。政府は「転記ミス」などとして審議入りを画策しましたが、改悪案にたいする反対世論の大きな広がりが許しませんでした。単なる「ミス」にとどまらず、改悪案そのものが労働者・国民の生活と権利を根底から脅かす本質を持っていたためです。
安倍政権が、条文を訂正したこと以外はまったく同じ中身の改悪案を、臨時国会開会日に閣議決定し再提出したことは、あまりにも無反省です。「世界で一番企業が活躍しやすい国」を掲げる安倍政権は雇用破壊に強い執念を燃やしています。
「労働規制緩和」が持論の塩崎恭久元官房長官を厚生労働相にすえたことは、労働者の件を守る仕組みを「岩盤規制」と見なし、それを破壊する「切り込み隊長」という位置づけです。
労働者派遣法改悪に続き、「残業代ゼロ」や長時間労働を野放しにする労働法制改悪の具体化を急いでいます。派遣労働、非正規雇用を増大させ、過労死するほど働かされる社会のどこが、女性や若者が「活躍」できる社会なのか。日本経済の健全な成長にとっても雇用破壊はマイナス以外の何ものでもありません。
世界の流れに逆行
労働者派遣法は臨時的・一時的業務に限定することは世界で当たり前の原則です。国際社会は「人間らしい労働」の実現が大勢です。安倍政権の雇用破壊にはが大義も道理もありません。労働者派遣法改悪案を再度廃案に追い込むことをはじめ、労働法制大改悪を許さない共同を広げましょう。
(+o+) (+_+) (>_<) (T_T)
ところで、「寿司」「天ぷら」「芸者」「すき焼き」など、英語にしなくても通じる日本語は多くあります。
これは日本にしかないもので、さらに日本を象徴する言葉でもあります。
その中には「過労死」「サービス残業」などの言葉もあります。悲しい事ですが、これもまた、今の日本の現状を表す言葉でもあるかもしれません。
このままでは近い未来「派遣社員」という言葉も、英語にしなくても通じる日本語になるかもしれません。
もちろん、本来の「Temporary employee(一時的・臨時的な従業員)」という意味ではありません。
「コストが低く、会社の都合ですぐにでも解雇できる、とっても使い勝手の良い労働者」
という意味です。
私そらみみは皆さんに、こう聞きたい。
日本人として、日本で働く労働者として、本当にそれでいいのですか??